ICL
ICLについて
ICL(Implantable Collamer Lens)手術は、眼内にレンズを挿入することで近視・乱視を矯正する治療法です。
ICLの特徴
1.強度近視・乱視にも対応
レーシック手術では、強度近視や乱視、角膜の厚さなどの問題で治療が適応でない場合があります。ICL手術では視力矯正できる度数の範囲が広く、レーシック手術では不適応なケースでも治療可能な場合があります。
2.万が一の場合に手術前の状態に戻すことができます
ICL治療では、術後に見え方に違和感があった際も、眼に挿入したICLを取り出すことができます。将来白内障になった場合も、ICLを取り出し、白内障手術を受けることが可能です。レーシック手術では角膜を削る為、元に戻すことはできません。
3.長期的に安定しお手入れ不要
普段からコンタクトレンズを使用している場合、毎日の洗浄や交換などメンテナンスが必要ですが、ICL手術では眼にレンズを挿入する為、メンテナンスの必要はありません。長期使用の安全性も報告されております。
4.手術翌日から視力回復を実感
手術後のリスクが少ない
ICL手術は日帰り手術で治療が可能です。ICLを挿入する為に約3㎜角膜を切開しますが、手術創は小さく術後の経過が早い為、翌日から治療効果を実感していただけます。
5.角膜を削らないので見え方の質が高い
レーシック手術は角膜を削って近視や乱視を治療しますが、ICL手術は角膜を削らずにICLを挿入する手術なので、レーシックで起こる可能性がある「近視戻り」が少なく、コントラストの感度も良好であり、より質の高い見え方を実現することができます。
6.ドライアイやアレルギー症状が生じにくい
レーシック手術では、角膜を削る為、術後にドライアイになるリスクが高くなります。ICL手術では、角膜を削らないので、これらの術後合併症のリスクが低くなります。
このようなメリットがあり、ICL手術はよりプレミアムな屈折矯正手術と位置づけられています。
このような方におすすめです
- 眼鏡、コンタクトレンズに頼らない生活をご希望の方
- 強度な近視や乱視の方
- レーシックに抵抗のある方
- ドライアイのためにコンタクト、レーシックが合わない方
- 運動をする機会が多い方
- 職業上裸眼視力をよくしたい方
- 災害など、何かあった時にコンタクトや眼鏡だと不安な方
ICL治療の適応と禁忌は？
適応
- 原則21歳から45歳まで
- 中等度以上の近視（-3.00D以上）
- -6.00D以内の乱視
- 近視と乱視の度数が安定していること
- 近視や乱視以外に眼科的疾患を有さないこと
禁忌（適応外）
- 目の病気がある方
- 妊娠中または授乳中の方
- 医師の説明が理解できない方
- 目の病気がある方（白内障、緑内障、進行性の円錐角膜、網膜疾患など）
- コラーゲンに対する過敏症
- その他、診察後病態や全身状態などから医師が不適応と判断した場合
初診から手術までの流れ
01適応検査 4,000円
スクリーニング検査や診察を行い、ICL手術の内容や手術の注意事項について説明いたします。
装用中のコンタクトレンズはICLの度数決定の参考にしますので、コンタクトレンズのパッケージを持参してください。
02術前検査 6,000円
コンタクトレンズを装着している方でソフトレンズの方は10日前から、ハードレンズの方は3週間前からコンタクト装用を中止して検査を行います。
瞳孔を開く検査がありますので、検査後数時間は見えにくくなります。車を運転して来院されないか、送り迎えをしていただける方とご来院ください。
術前検査後から手術前日までは、コンタクトレンズは使用できます。
03手術日程の調整、ICLオーダー
ご契約後に手術の日程を調整し、術前検査を元に患者さんに合ったICLを発注またはオーダー発注いたします。
国内にレンズの在庫がない場合には海外からの取り寄せや製造依頼が必要となるため、実際に手術を受けられるまで時間がかかることがあります。手術は日帰り手術で行います。
04手術（両眼）約15～20分
手術は点眼麻酔と必要に応じて低濃度笑気麻酔を用い、苦痛が少なくリラックスした状態で行います。散瞳薬や麻酔などを使用するため、自身で車を運転してのご来院はお控えください。
- 散瞳剤点眼で瞳孔を開き、点眼麻酔をおこなったのち、黒目と白目の境目に約3ミリの創口を作成。
- 創口から小さく折りたたんだICLを挿入して、虹彩と水晶体の間に固定。
- 切開創は糸で縫合することなく、眼内圧により自己閉鎖します。
- ICLは特別な手入れをしたり取り出したりする必要はなく、半永久的に眼内で安定します。
05術後の定期検査
術後の合併症などで緊急の処置が必要になった場合でも、遅滞なく対応いたします。術後の検査は、術翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の計4回行い状態を観察していきます。
手術費用について
近視のみの場合
| ICL手術費用 | 金額 |
|---|---|
| 両眼 | 610,000円（税込） |
近視＋乱視の場合
| ICL手術費用 | 金額 |
|---|---|
| 両眼 | 670,000円（税込） |
片眼の場合は上記の半額です。
- 適応検査料金4,000円と術前検査料金6,000円は手術を受けられる場合は手術費用に含まれます。
- 術前検査料金：¥6,000（税込）（手術を受けられる場合は手術費用に含まれます。）
- 自費診療のため、健康保険は適用になりません。
- 医療費控除（確定申告）の対象になります。
- ICL注文時に、ICL1枚につき20万円（両眼で40万円）を前金としていただき、それをもって手術申し込みとします。
前金は返金できません。
費用に含まれるもの
- 手術代
- ICL代
- 目薬代
- 術後3か月までの診察
- 合併症によるICL摘出
- 医師が必要と判断した場合にかぎり、3年間のICL交換（度数・サイズ変更）
- 手術費用には術前検査、手術費用、手術翌日、1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後の診察費用が全て含まれています。
- 手術費用は手術当日に現金またはクレジットカード（VISA・MASTER・JCB等）でお支払いください。
クレジットカードによる分割払い可。
よくある質問
ICLは目の中でずれたり、割れたりしませんか？
ICLは、虹彩の裏側にある毛様溝という部分にICL両端の突起を入れて固定します。よほどの強い衝撃でない限り、ずれることはまずありません。またとても柔らかい素材なので、目の中で割れることもありません。
異物感を感じることはありますか？
ハードコンタクトレンズの場合はレンズを角膜の上にのせるので異物感がありますが、ICLの場合は眼内に挿入するので異物感はありません。ごろごろした感じや目の乾きを感じないので、手術後は快適に過ごせます。
夜、光がにじんで見えますか？
ICLの構造上、日中も夜間も光がにじんだり、光の周囲がぼやけて見えたり、周囲に光が入って見えたりすることがあります。やや残る場合もありますが、しばらくすると気にならなくなる方がほとんどです。
手術の痛みはありますか？
麻酔をするので、痛みはありません。麻酔は点眼麻酔だけなので、麻酔をする時の痛みもありません。手術中は目を開けておくための器具を使うので、まれに圧迫感や不快感を感じる場合もありますが、これは痛みといえるものではありません。必要に応じて低濃度笑気麻酔を用い、苦痛が少なくリラックスした状態で行います。術後に軽い痛みや異物感を感じる場合もありますが、これは時間経過とともに改善します。
術後どれくらいで視力が安定しますか？
手術の直後は若干の炎症のため見えづらい場合がありますが、通常は翌日～1週間ぐらいで回復し、視力の変化を実感できます。傷口が塞がって治癒する1～3カ月間で視力はほぼ安定します。手術が終わった後、2時間程度は経過を確認するためにそのまま院内に待機頂きますが、その後お帰りいただけます。手術当日から裸眼で過ごして頂けます。
合併症のリスクはありますか？
まれにICLと水晶体が干渉し、白内障を誘発することがあります。この場合、まず白内障の進行程度が軽度であれば、水晶体と干渉しないようICLを交換し、白内障の治療は経過をみて行うかどうかを判断することをお勧めしています。白内障の進行が進んでいるようであれば、ICLを抜いて白内障の治療を行います。
また現在は非常にまれですが、目の中の水の流れ（房水動態）をレンズが妨げて眼圧が上昇することがあります。この場合は点眼加療、追加処置を行います。
治療を受ける制限はありますか？
目の形や病気、全身疾患などによって治療の対象とならない場合があります。事前に詳しい検査を行い、目の形、状態、生活習慣などを総合的に検討して治療が可能かを医師が診断いたします。また正確な検査のためにコンタクトレンズは一定の期間装用を中止していただく必要があります。妊娠中、授乳中は視力が不安定になることがあり、近視矯正手術はできません。
老眼も治りますか？
40歳前後から「手元が見にくい」と言った老眼の症状が出始めます。老眼は遠近のピントを合わせる能力が衰える症状です。ICL治療は近視や乱視など屈折の矯正を行いますが、老眼の治療ではありません。老眼により手元が見にくい場合は近用眼鏡（老眼鏡）等を使用して下さい。
費用は公的医療保険の対象ですか？
公的医療保険の対象ではありません。ご自身で加入している民間保険の給付については、「有水晶体眼内レンズ挿入術」が対象かどうか、加入保険会社へお問い合わせ下さい。
眼内コンタクトレンズを入れていることは他人に気が付かれますか?
虹彩の後ろに挿入するので、外からは見えません。
手術後に、再び視力が低下することがありますか？
ICL手術後に、近視の進行が、視力が低下することがあることが報告されていますが、再手術が必要になることは稀です。