硝子体手術
網膜硝子体とは
眼球の中には、硝子体というゼリー状の組織があります。この組織がさまざまな原因で眼の疾患を引き起こします。硝子体手術とは、角膜の横から細い器具を挿入し、眼の中の出血や濁りなどを硝子体と一緒に取り除く手術です。
近年、硝子体手術はさまざまな手術装置、手技が開発され、手術成績も向上してきました。中でも23、25ゲージを使用する小切開硝子体手術は、手術による侵襲が少なくなり、硝子体手術を日帰りで行う施設も、まだ少数ではありますが増えてきています。当クリニックでも25ゲージ(切開0.5mm)を用いた無縫合での硝子体手術を日帰りで行っています。
入院する必要が無いので、お仕事などの負担を軽くすることができます。ただし、ご遠方の方で宿泊を希望される方は、医師またはスタッフにご相談ください。
硝子体手術で治療できる眼の疾患
- 糖尿病網膜症
- 網膜剥離
- 眼底出血
- 黄斑円孔
- 黄斑上膜
- 網膜静脈閉塞症など
手術までの予定
診察・手術日・手術内容の決定
顕微鏡を使った検査や眼底検査で、眼底だけでなく眼内をくまなく診察します。
また、病状によっては眼底の造影検査や光学的干渉断層計を行います。その検査結果を見て、病気とその治療法について説明を受けた後に、疾患に応じて手術日を決定します。
網膜剥離などの場合には、緊急で行うこともあります。
手術前検査
眼脂培養などの眼科的検査、採血・血圧などの全身検査を行います。
白内障手術を同時に行う場合には、白内障の検査も行います。
手術説明会
手術内容や術後の治療計画、予想される術後の見え方などを詳しく説明します。
また、手術承諾書、術前検査時の血液検査結果、術前減菌法の点眼薬(3日前より合成抗菌剤を点眼)を渡し、患者様への連絡がきちんとつくように緊急連絡先を確認し、高額医療費などについても説明を行います。
手術
1時間半前に来院。日帰りの場合には、手術後はリカバリー室で15分くらい休んで帰宅していただきます。
白内障手術の場合は、眼帯をせずに保護眼鏡を装用するノーパッチなのですが、硝子体手術後は、眼帯をして帰っていただいています。
手術の手順
01レンズ挿入
白内障がある場合には、まず白内障の手術を行います。
02ポート作成
白目の部分に小さな孔を3カ所あけます。
03器具挿入
3ヵ所の孔から、「手術中に眼球の形を保つための灌流液」「眼内を照らす照明や内視鏡」「硝子体を切除するカッターやレーザー治療の器具」を入れます。
04硝子体切除
硝子体の切除を行います。
05ERM
硝子体切除後に疾患に合わせた手術を行います。
06手術終了
切除した硝子体の代わりに眼内を還流液で満たして、手術は終了します。
手術時間は病状によって異なりますが、おおよそ30分~2時間です。
手術後
術後の経過は定期的に通院していただき(術翌日、術後2日、術後4日、術後7日・・・)、経過観察を行います。
病気の治療計画を分かりやすく記載した表をお渡しします。
日帰り硝子体手術の場合、入院する必要はありませんが、以下の点に注意してください。
手術後の注意事項
- 手術当日は、処方された薬を飲んでお早めにお休みください。
- 食事制限はありませんが、入浴や洗顔はできません。
- 歯磨きやひげそりは問題ありません。
- 眼帯は翌日の診察まで取らないでください。
- 手術翌日からの生活は、白内障手術とほぼ同じです。目薬を指示通りにすること、目を不潔にしないことが重要です。